セロトニンはそのほとんどが腸粘膜に存在し、8%が血小板、脳内の中枢神経系に2%ほどだそうです。
腸や血小板のセロトニンと脳内セロトニンは、まったく別々に作られ、まったく違う働きをします。脳には血液脳関門といって、血液中の物質が簡単に入り込まないように制限されているからです。
片頭痛と脳内セロトニンの関係をまとめました。『片頭痛の治し方』を参考にしています。
脳内セロトニンが不足する生活習慣
脳内セロトニンは少数精鋭で、神経伝達物質として放出されても、その中の2割だけが次の伝達に進み、あとの8割はもとの神経終末に再回収されるようになっているそうです。
これがわずかなセロトニンを欠乏させずに一定に保つシステムなんですね。
このシステムを狂わせるのが肉体疲労とストレス。
肉体疲労でたまった乳酸は、セロトニン合成を抑制し、さらにはセロトニンの再回収を促進する作用があるというから大変です。
神経伝達に必要なセロトニンまで回収され、必要なところに行き渡らなくなるんですね。
また、過剰なストレスやストレスの蓄積もいけません。
ストレスを緩和しようと副腎皮質ホルモンが分泌されるのですが、それがセロトニンの再取り込み口を一時的にふさぐんです。たくさんのセロトニンに伝達させようとするからですね。
でも、慢性的なストレスで、副腎皮質ホルモンが分泌されっぱなしの状態が続くとどうでしょう。
セロトニンの取り込み口はふさいだままになり、セロトニンが回収されずにどんどん不足する事態になるわけです。
コワいのは、セロトニンが不足することでますますストレスを受けやすくなり、副腎皮質ホルモンがさらに分泌するという悪循環で、ついにはセロトニンの再取り込み口が消滅するそうなんですね。
脳内セロトニンは簡単には増やせません。せめて減らさない生活習慣に努めたい。
血小板セロトニンの凝集が片頭痛を招く!
片頭痛の発作は、脳血管内血小板の凝集によりセロトニンが放出されて起きます。
脳内セロトニンを量的に不足させないことはもちろん大事なんですが、片頭痛改善には、血小板の凝集を起こさせないことが重要なんです。
固まった脳血管内の血小板がいっせいにセロトニンを放出し、血管内のセロトニン濃度が急変するのがよくないみたい。
血小板凝集を引き起こす活性酸素
血小板の凝集を引き起こしているのは活性酸素に集約できます。
活性酸素は、
- 加工食品などの遊離脂肪酸・過酸化脂質の過剰摂取
- 生活習慣による酸化ストレス、あるいはアレルギーや片頭痛などの炎症体質
- 抗生物質や栄養不足によるミトコンドリア活性の低下
などから過剰に発生し、血小板凝集を引き起こしていると考えられます。
ほかにも、女性ホルモンやマグネシウム不足、セロトニン生成に必要なトリプトファン不足なんかも影響することがあるようです。
こうしてまとめてみると、片頭痛体質を改善するのは、一筋縄でいかないことがわかります。
あらゆる病気の予防につながるような、からだの基礎から見直さないといけない感じ。
簡単に結果が出ないはずですね。めげずにできることを続けていこうと思います。
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