この年になると、からだにいいことは、できることなら何でも取り入れたいと思いますよね。
だけど足りない栄養素だけを一所懸命とってもダメなんだって、この頃つくづく思うようになったんです。
からだはよくできている!
きのう『たけしの家庭の医学』では、シニアは筋肉増強栄養素であるロイシンをとらないと、いくら運動しても筋肉が衰えるみたいなことが紹介されていて、朝食に牛乳を飲むと手軽にロイシンがとれるよ、なんてことも言ってました。
ロイシンというのは、アミノ酸の一種なんですよね。
こんなふうに、特定の栄養素や食品をプッシュして、これさえとれば健康になれると言わんばかりの情報ってクセモノです。
からだに必要なアミノ酸にはロイシンだけでなく、フェニルアラニン、脳内セロトニンの原料になるトリプトファンなど、ほかにもたくさんあります。
『片頭痛の治し方』によると、
食品によってはトリプトファンよりも、フェニルアラニンやロイシンの多いものがあります。肉類や乳・乳製品などですが、これらをとり過ぎると、血液脳関門を通過するトリプトファンの取り込みが阻害されることになり、結果的に脳内セロトニンの生成量が少なくなってしまいます。
なんてことが書かれてあります。
筋肉にはロイシンが必要かもしれないけれど、からだ全体としては、ほかにも大事なものがいっぱいあって、それぞれ優先順位が決まってるんですね。
乳・乳製品は、最近とり過ぎによる弊害が問題になってます。牛乳や乳製品というと、骨粗しょう症対策のカルシウム補給のために積極的にとっているという人もまだいるかもしれません。でも、牛乳や乳製品というのは、非常にミネラルバランスの悪い食品なので、とり過ぎると、かえってカルシウム不足を招く原因になることがわかってきたんですね。
ま、どちらかというと、あんまりとらなくてもいい食品と思ったほうがいいかもしれません……。
足りない栄養素をピンポイントで都合よくとるのはそうかんたんなことではないんですね。
足りない栄養素だけを見て補ったとしても、それは対症療法の薬みたいなもので、別のところでバランスを崩して不具合が出てしまう可能性があるんですよ。それぐらいからだは絶妙なバランスを保って懸命に生きているんですね。
少しは自分のからだを信じてあげて、なるべく偏食しないでバランスよく食べるように心がけることとよく寝ること、それが結局安全に自分ができる精一杯のことなんだな、とあらためて思ったのでした。
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